
2020年11月11日
シリーズ和装の人たちシーズン2 加賀ゆびぬき講師・絹糸アクセサリー作家「千明 幸代」最終回
「和装の人たち シーズン2」の3人目は、加賀ゆびぬき講師で絹...
インタビューを通じて和装の着こなし方、素材として絹の素晴らしさ、日本の伝統についてお伝えして行きます。
前回に続き、武術研究者・甲野善紀さんのお話をご紹介します。
第2回目は、「極上の着物」についてお話しを伺いました。
前回に引き続き、着物についてのお話をお聞かせください。
前回は、袴(はかま)の質の悪さのお話をしましたが、今着ている着物、これはとてもいいものなんです。昭和初期に、“着物道楽”の人が、特別な機で織り上げるよう注文して出来たものとのことですが、着物の専門家にも、「今まで見たことがありません」というほどのものです。
私としても、すごく気に入っています。その注文した方が和服を着なくなって、50年くらい桐の箪笥(たんす)にしまわれていて、それを、20年ほど前に遺族の方から頂いたのですが、今でもこうやって着られます。昔の絹は、本当にいいですよね。
私は、ふだん着る着物は、久留米絣(くるめかすり)が多いんですが、冬用の合わせの久留米絣などは、京都の業者さんが、「こんな細かい久留米絣は、博物館に行かないと見られませんよ」というくらい貴重なものになっています。今ではもう織れないでしょうね。私は、それを何枚か持っていますので、秋から冬にかけては、もっぱらそれを着ています。
昔の技術は大したものなのですね。ありがとうございました。
次回は、「 極上の着物 その2 」についてお聞きします。
(更新予定 10 / 22)
【 甲野善紀 (こうのよしのり)】
●プロフィール 1949年東京生まれ。武術研究者。 1978年松聲館道場を設立。日本古来の武術を、伝書と実技両面から研究し、その成果がスポーツ、楽器演奏、介護、工学等から注目を集め、国内外で指導依頼されている。2007 年から 3年間、神戸女学院大学で客員教授も務める。著書に『表の体育 裏の体育』 (PHP 文庫 )、『剣の精神誌』(ちくま学芸文庫 )、『できない理由はその頑張りと努力にあった』 (聞き手・平尾 文 PHP研究所 )、『ヒモトレ革命』(小関勲共著、日貿出版社 )、新刊『古の武術に学ぶ無意識の力』(前野隆司共著、ワニ・プラス)等多数。「NHK人間講座」、「爆問学問」や「世界一受けたい授業」等TV出演多数。