


シリーズ和装の人たちシーズン2 加賀ゆびぬき講師・絹糸アクセサリー作家「千明 幸代」4

シリーズ和装の人たちシーズン2 加賀ゆびぬき講師・絹糸アクセサリー作家「千明 幸代」3

新シリーズの一人目は、琵琶(びわ)の演奏者・黒田月水(くろだげっすい)さんです。
第4回目は、着物について伺いました。
黒田さんは、プライベートでも着物を着られるのですか?
プライベートでも、冬の寒いときには着物を着ています。夏でも着物は着たいですね。体の中心が冷えないですし、襟や袖が抜けているので、熱の発散がすごくいいんです。慣れてくると、着物を着ていたほうが楽なくらいです。絽(ろ)の着物などは、特に涼しいですね。
下着は綿ですが、長襦袢(ながじゅばん)は絹のものを着たいですね。夏は汚れやすいのですが、やはり肌触りがよく、気持ちがいいですから……。
化繊のものは、肌触りはあまりよくありません 。
舞台衣装の着物は、素材は絹なのですか?
衣装の着物は、麻の素材を使っています。
正式なときには、訪問着を着て演奏します。
着物の着付けは、最初はできませんでしたので、美容院へ行っていました。ですが、少ないギャラから着付け代を出していたら、ほとんど残らないじゃないですか(笑)。なので、母親に連絡をして、着物を一式送ってもらいました。そして、毎日朝から着物を着て過ごしていたんです。そうしたら、着崩れていく場所も分かってきました。そんな生活を1週間も続けていたら、自然と着付けができようになりました(笑)。
着物は、どのくらいお持ちなのですか?
60着くらいあります。でも、自分で買ったものは2〜3着しかありません。ほかは頂き物になります。
頂き物の中にも、着ていて違和感を感じるものがあったのですが、洗える着物だと聞いて理解できました。化繊が含まれていたんです。やはり、絹と化繊では、体へのなじみ方が全然違いますね。
また、絹のいい帯締めは、一度できれいに締まって動かないのですが、絹以外の繊維が入っていると、緩んできたりします。
頂いた着物の3割は、サイズが合わないのですが、絹のものはもったいなくて捨てられないんですよ。裏地が紅絹(もみ)のものは特にですね。
紅絹は、生地をウコンとベニバナで何度も何度も染めて真っ赤な色を出すので、すごく手間がかかるんです。ですから、とてももったいなくて捨てられません。友人に頼んで、リメイクしてもらったりしています。
現在の風潮は、買っては捨て買っては捨てですから、本当にもったいないですよね。
今の文明のまま生活様式を江戸時代にすればいいのに……と思いますね。
興味深いお話をありがとうございました。
次回(最終回)は、黒田さんからのメッセージをお届けします。お楽しみに。
黒田月水さん プロフィール
高知県土佐清水市出身。
土佐琵琶創始者・世界的彫刻家 流政之から琵琶を勧められ
薩摩琵琶の大家中谷襄水に師事。
全国琵琶楽コンクール第2位
NHK邦楽技能者育成会36期卒業
古典派元よりジャズ / 舞台芝居 / 映画音楽 / 舞踊等々音楽を手掛け、アメリカ、中国、フランス、スペイン、オーストラリアなどで演奏。
NHKFMラジオ「邦楽のひととき」に定期出演。
テレビ高知「土佐琵琶物語」
高知県観光特使 高知県土佐清水市観光特使
Faceook https://www.facebook.com/gessui.kuroda