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シリーズ:和装の人たち 舞踊家「桐崎鶴女」6

インタビューを通じて和装の着こなし方、素材として絹の素晴らしさ、日本の伝統についてお伝えして行きます。
ひき続き、舞踊家「桐崎鶴女」さんへのインタビューです。
衣装としての着物についてお聴きしました。

夏の着物について教えて下さい。

夏に着物を着ていますと暑そうに見えるようなのですが、実はそれほど暑くはありません。着物が陽射しを遮ってくれますから。着物は衿を抜きますし(後ろ衿を開けること)身八ツ口も開いていますので、風が着物の中を流れていくのです。洋服ではこのようなことはありませんね。ですから、着物は帯の部分はともかく、上半身はかなり涼しいんですよ。          

そして、着物を着ていますと冷房の効いた場所にいても、体が冷えることはありません。江戸時代は、冷え性は肌を出している男性のものだったと聞いています。たまに夏に洋服を着て出かけますと、「洋服ではお腹や下半身が冷える」ことを実感します。それで、子供の頃よく腹巻を身に着けるように祖母に言われた意味がわかりました。

ありがとうございます。

次回、着物のお手入れについての内容をお送りします。
(更新予定6/13)

【桐崎鶴女】

地唄舞上方舞舞踊家「閑崎ひで女」に師事、名取を許される。早稲田大学大学院にて舞踊研究を経て「世界のダンスⅡ」にて東京の地唄舞について執筆。東京・自由が丘、日本橋にて教室を主宰。コレド室町、三越カルチャーサロン等にて講座を開催するなど舞踊公演多数出演。地唄舞の技法を解きほぐして解釈するなどして、東京で継承されてきた地唄舞の研鑚・継承・普及に取り組んでいる。

http://tsurujo.jp/