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シリーズ:和装の人たち 舞踊家「桐崎鶴女」4

インタビューを通じて和装の着こなし方、素材として絹の素晴らしさ、日本の伝統についてお伝えして行きます。
ひき続き、舞踊家「桐崎鶴女」さんへのインタビューです。
衣装としての着物についてお聴きしました。

着物を頻繁に着るようになって気づいたことを教えて下さい。

着物をたまにしか着なかったころは、洋服はシルエットを楽しみ、着物は色を楽しむものと思っていました。洋服は、3色以上は使わないほうがまとめやすいといわれていますが、着物ですと、形はある程度決まっているものの、色は豊富で、着物の柄や帯締めの色で季節感を楽しんだりもできます。

それが、週に5日ほど着物を着るようになってくると、その時々の感覚で着るものを選ぶようになりました。楽に動きたい時は柔らかい鬼縮緬(おにちりめん)にしようとか、ちょっと疲れている時は張りのある紬(つむぎ)に包まれたいといった具合です。感覚にぴったりと合うと、体が楽だし気分がいいのです。洋服のときはそれほど感じませんが、着物はきっと体全体を包んでくれるので、体で着物の 『織』 を味わうことができるからでしょう。肌感覚がより豊かになったようで、着物を着る楽しみ、喜びが増えました。

ありがとうございます。

次回も日常で着物を着ることについてお聞きした内容をお送りします。
(更新予定6/6)

【桐崎鶴女】

地唄舞上方舞舞踊家「閑崎ひで女」に師事、名取を許される。早稲田大学大学院にて舞踊研究を経て「世界のダンスⅡ」にて東京の地唄舞について執筆。東京・自由が丘、日本橋にて教室を主宰。コレド室町、三越カルチャーサロン等にて講座を開催するなど舞踊公演多数出演。地唄舞の技法を解きほぐして解釈するなどして、東京で継承されてきた地唄舞の研鑚・継承・普及に取り組んでいる。

http://tsurujo.jp/