


シリーズ和装の人たちシーズン2 加賀ゆびぬき講師・絹糸アクセサリー作家「千明 幸代」4

シリーズ和装の人たちシーズン2 加賀ゆびぬき講師・絹糸アクセサリー作家「千明 幸代」3

インタビューを通じて和装の着こなし方、素材として絹の素晴らしさ、日本の伝統についてお伝えして行きます。
ひき続き、舞踊家「桐崎鶴女」さんへのインタビューです。
衣装としての着物についてお聴きしました。
地唄舞の衣装とはどういったものでしょうか?
「日本舞踊」の「踊り」は、いわゆる“舞踊劇”ですので、役柄に合わせた衣裳を着ますが、「地唄舞」というのは詞章(詩)に振りが付いたものなので“素”で舞うため、役柄の扮装をすることは殆どありません。通常は現代の“素”で舞わせて頂きますが、本舞台をふむ場合は白塗りの化粧に日本髪の鬘をつけて裾引きを着て舞います。その姿は普通に考えたら、とても“素”とは思えませんよね。実はこれは、江戸時代や明治時代のお座敷着における“素”の格好なのです。
本舞台での衣裳は、その時代の“素”の雰囲気を出すために、柄や色は、やはり古典のものであることが大切です。以前、東京の衣裳屋さんにお願いしたことがあるのですが、趣味が東京好みといいますか柄や色使いの雰囲気などがやはり地唄舞には合わないように感じましたので、本舞台の折には師匠や諸先輩方がお世話になっておられる京都のお衣裳屋さんにお願いすることにしています。
ありがとうございます。
次回も衣装についてお聞きした内容をお送りします。
(更新予定5/31)
【桐崎鶴女】
地唄舞上方舞舞踊家「閑崎ひで女」に師事、名取を許される。早稲田大学大学院にて舞踊研究を経て「世界のダンスⅡ」にて東京の地唄舞について執筆。東京・自由が丘、日本橋にて教室を主宰。コレド室町、三越カルチャーサロン等にて講座を開催するなど舞踊公演多数出演。地唄舞の技法を解きほぐして解釈するなどして、東京で継承されてきた地唄舞の研鑚・継承・普及に取り組んでいる。