純国産宝絹

絹にまつわる「ヒト」「コト」「モノ」

SEASON 1-2. 西陣織会館の「コト」

世界的な織物ブランド「西陣織」の広報と観光の拠点である西陣織会館。 そこで行われている純国産絹への取り組みについて取材しました。

 西陣織会館には、年間25万人が訪れる観光施設としての顔の他に、来館者に純国産絹のPRを行う広報宣伝施設や、商品開発を行うマーケティング施設としての顔もあります。 たとえば、上の写真は、群馬県から送られてきた蚕の卵です。同会館では、これを孵化させ、生まれてきた蚕を育て、最後は繭から糸をとるところまでを、職員がみんなで協力して行います。そしてそれらの過程を修学旅行生や見学者に公開したり、体験プログラムに取り入れたりして、純国産の繭や絹への理解を深める取り組みをしているのです。

卵から育てて採れた繭を、会館内で牽いて糸にしている。採れる糸はわずかだが、実演などに大事に活用している。

 また、同会館では、用途に合う純国産生糸を使った商品の開発も行っています。上の写真は、「太繊度低張力糸(ふとせんどていちょうりょく)」と呼ばれる糸です。糸を引く時に300粒ほどもの繭をまとめて湯に入れて、そこからテンションをあまりかけずに緩く引く方法で製糸されており、それを2本合わせて縒って1本にし、そこに細い糸を巻きつけてまとめるという手間をかけた糸で、同会館オリジナルのマフラーを織るのに使われています。
「この糸で織ると、軽くて、やわらかくて、おまけに洗えるので、マフラーにピッタリなんです」と、同館のスタッフで伝統工芸士でもある中尾友美さんは言います。

館内では、西陣織の職人が織りの実演を行い、その技術を披露する。

 繭の生産地から製糸、染色、織りまで、その商品に関わったすべての産地や業者をラベルに示し、純国産絹の面白さや奥深さを伝えること。そして、どこでどのような仕事がなされているかを、消費者に知らせていくことも、同会館における重要な業務です。
 これはPRであると同時に、糸や商品の出どころを明らかにして、希少な純国産絹に関わる業者の責任と自覚を問う意味も持っています。
 来館者に直接伝えることができる観光施設だからこそ、できるコトを考えて、実行したい。
 そんな想いと志が伝わってきます。

次回は西陣織の「モノ」。純国産絹で作られた商品についてご紹介します。

西陣織会館 住所:京都市上京区西堀川通り元誓願寺上る 竪門前町414番地 
☎ 075-451-9231
営業時間:10:00~18:00(12月29日~1月3日のみ休館
◆きものショー(1日6回開催・無料)、職人実演見学
http://www.nishijinori.jp/